ロンドンオリンピック出場の土井杏南さん、昨年の初場所で十両優勝した大栄翔関(高西勇人さん)らが出身校である朝霞市立第一中学校(嶋徹校長、6月現在生徒数826人)。文化面でも、よみたん2016年10月号で紹介した吹奏楽部が全日本アンサンブルコンテストで銀賞を受賞するなど、活躍がめざましい。オリンピック・パラリンピック機運の醸成を図ろうと、朝霞市が3年間にわたり招聘している「JOCオリンピック教室」。同校で平成30年5月29日~31日の3日間にわたり行われたのでリポートします!
※年齢は2018年6月現在

●鈴木彩香(すずきあやか)さん【ラグビーフットボール】

olympic_suzukisan3 「ラグビーボールは玉子の形。玉子のように割れると思って落とさないように」と、2016年リオ五輪で7人制ラグビー競技に出場の鈴木彩香さん(28)は平成30年5月31日、2年3組を対象に、タグラグビーなどの実技を行った。タグラグビーとは、タックルなどのコンタクトは禁止で、ボールを持っているときに腰の両側に付けた2本のタグから1本を取られるとパスをしなければいけないルールのラグビー。ボールを持ったら前方に走り、パスの妨げや前方のパスはしてはいけない。6チームに分かれ、それぞれ2試合ずつが行われたが、初めてのタグラグビーでゴールを決めると歓声が上がっていた。

教室で講義する鈴木さん
教室で講義する鈴木さん

 

座学では、小3のときに近所の人がやっていたタグラグビーに出合い、鬼ごっこのようで楽しかった。その人からラグビーを勧められ、日本代表選手のことを知った。「かっこいいな」と鈴木さんは思った。「小学生時代はすべてがキラキラに見えていた」(鈴木さん)。

 

中学時代はラグビー部がなかったので、学校では陸上部、週末はラグビーのクラブチームで練習し、高校2年生でU23に選ばれ、日本代表となった。鈴木さんは高校時代に「自分の人生をかけて日本のラグビーを強くしていこう」と冷静に考えたという。

 

ラグビーがオリンピックの正式種目に決まり、環境が変わった。国がラグビーを応援するようになって競技人口も増えた。鈴木さんは、リオ五輪の2年前に膝のじん帯断裂という大きなけがをしてしまい、8か月のリハビリを余儀なくされた。もしかしたら出場は無理という周囲の声があったが、自分の体を鍛え直そうと日々、ベストを尽くした。8か月のリハビリ後に復帰できたが、リオ五輪の年、2016年2月に肉離れのけがをしてしまい、また3か月のリハビリとなった。復帰後の合宿で必死にしがみついて、リオで最高のプレーをしたいと、パフォーマンスを見せることができ、リオ五輪メンバーに選ばれた。

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鈴木さんは、小学生から一緒にタグラグビーを始めた幼なじみが、リオ五輪にも一緒に出場できたことや、大学時代に日本代表のキャプテンになったときの経験についても生徒へ語っていた。エクセレンスの「あきらめずにやり続けていけば叶う」ことを鈴木さんは唱えた。

 

クラスが合唱コンクールに向けて意識したいこと、がんばりたいこと、オリンピックバリューを考えようという課題について、生徒からの発表も行われた。その上で鈴木さんは、「オリンピックバリューはアスリートだけのものではない。長い人生、いろいろなことに挑戦してバリューを自分のものにしてほしい」とまとめた。

 

実技で初トライを果たした久松楓華(ふうか)さん(中2)は、「タグラグビーは楽しかった。本物のオリンピック選手の話を聞けて感動。腕の筋肉にさわってみたらとても固かった」と喜んでいた。

 

 

その①黒須成美さん【近代五種】は⇒こちら