志木市観光協会(大木勝臣会長)では、市民のふるさと意識醸成と新たな観光の魅力づくりのために和舟の命名と進水式を9月24日、いろは橋下の新河岸川左岸にある船着場で開催。香川武文志木市長、西川和夫市議会議長、鈴木正人県議ら来賓をむかえ、約30人が集まった。
大木会長は、舟運で栄えた志木市にぴったりの事業とし「これから賑わいを創出する希望の舟となるように」と思いを述べた。
観光協会が7月に舟の名前を募集したところ24点が集まり、新河岸丸や志木丸などの応募作品の中から「いろは丸」に決定。ボランティア船頭もあわせて公募したところ男5人・女1人の6人から応募があり、栃木市蔵の街遊覧船の船頭から指導を受けるという。
参加した名付け親の志木市柏町の中澤伊助さん(78)は、「いろは商店会、いろは親水公園などいろはの愛称が定着している。私はいろは大学にもお世話になっている。野火止用水から引いたいろは樋が48本あって、ものの始まりはいろはで始まる」と命名の思いを話した。
香川市長は、「いろは丸と素敵な名前が付けられた。観光の目玉として次男坊が生まれたようにうれしい」と喜びを見せていた。来年3月のコミュニティ協議会のまつりでのいろは丸の運行、平成32年目途に新河岸川の中州に船着場の設置、川の護岸整備、植栽、船着場への舗装整備を行いたいと計画を明らかにした。
水宮三衛宮司による安全祈願の祝詞の後、進水した和舟は22人乗りで、長さ8メートル、幅1.7メートル、重量150キログラムのグラスファイバー製。栃木市蔵の街遊覧船の中村明雄さん、大橋宏之さんを船頭に新河岸川舟唄の歌声を聴きながら、参加者は約10分のゆったりとした運行を楽しんだ。
「木製の道具から魯をこぐような音も鳴って、舟唄を聴きながら乗船するのはとても趣がある」と鈴木県議は感想を話してくれた。
取材/ニュータイムス岩下“ジモアイ”隆