青空の下で「アフターコロナの新しい音楽の届け方~音楽が今地域のためにできること~」をテーマに音楽アーティスト「sikisi」は11月22日、志木市のいろは親水公園でライブイベントを開催した。
「sikisi」とは、その名の通り志木市柏町にある「MICHI音楽学院」(大野浩一学院長)の出身の鈴木慎之助さんらが2017年から活動しているアーティストだ。今年3月には初のアルバム『from kasiwa』をP-VINEよりリリースし、その収録『Gum』を解体前の志木市役所庁舎をロケ現場にミュージックビデオも制作。香川志木市長もそのビデオに出演し話題を呼んだ。
コロナ禍でライブ活動が出来ない状況で、アーティストの新たな試みとして、また音楽で地域に対して何か出来ないかと大野学院長が全面的に協力し、屋外ライブが実現。市民による手作りのこのイベントに市の観光担当者も期待を寄せた。
この日、「MICHI音楽学院」の講師などプロのミュージシャンが音楽の楽しさを感じてほしいと「青空楽器体験会」も行い、広報しき9月号でも紹介された同学院出身のKEYTALKのメンバーもサプライズで参加。
「sikisi」の鈴木慎之助と行く、志木まちあるきと題して、志木駅からいろは親水公園までを10人の参加者と歩いた。駅から続くペデストリアンデッキや本町3丁目交差点にある上の水車を見学。志木市民会館パルシティでは2018年ゆるキャラブランプリで全国1位となったカパルのマンホールなどの説明も聞き、さらには国指定重要民俗文化財である田子山富士塚の登頂も楽しんだ。記者も同行し、かつてバス通りに流れていた野火止用水について初めて志木を訪れた参加者に伝えるなど志木のまちガイドに一役買った。
屋外ライブでは、鈴木さんとボーカルのJackie Commeさんが和船に乗って登場し、アルバム『from kasiwa』より、『ミルクレープ』『HiLo』(MICHI音楽学院で初めて作った作品)などの楽曲を披露。観客の子どもたち十人ほどがパーカッションでライブに参加する場面もあって、まさに音楽を楽しんでいた。
音響担当の質の高さもあってか、さわやかな青空の下で自然に溶け込むような音楽が、新河岸川にかかる夕日と合わせて降り注いでいる感があった。
「sikisi」のメンバーは取材に対し、「決して明るい曲ではないが、聴く人に同じような想いを共感してもらって音楽が救いになればと思う」と語った。
「すてきな親水公園で初めての屋外ライブが出来、とても気持ちが良かった。これからも音楽の力でまちを盛り上げていけれたら」とJackieCommeさんは微笑んでいた。
取材/ニュータイムス 岩下〝ジモアイ”りゅう