ジモアイを推進する地域のメディア

昭和22年3月16日、祖父英隆がニュータイムスの前身である地域紙「埼玉タイムス」を創刊しました。当時の見出しには「民主化促進と日本再建に努力せよ」とあり、埼玉県知事西村實造氏の激励文でスタートをきっています。「青年諸君が一刻も早く迷路から正道へ立ち向かい、一日も早く平和な文化国家の再建に挺身（ていしん）しなければならない重大なる時代」と記されました。少々大げさな表現ですが、敗戦の後の食糧難、インフレなど厳しい時代の中で、人々は貧しくとも、民主化と産業の再建に向けてエネルギーが満ち溢れていた様が想像できます。

物資も極端に不足し、印刷する用紙の調達も困難な時代だったようです。「百鬼夜行の街」などと形容されるような犯罪も多く、いわゆるカストリ雑誌と呼ばれる悪質な雑誌も氾濫していました。混沌とした時代の中で、約半世紀にわたり「埼玉タイムス」を続けることができたのは、“真実と良心”のローカル紙を貫き通したからだといえます。「真実を報道すること。スキャンダルを掲載しないこと。ユスリ、タカリなどの悪徳はやらないこと。経営がどんなに苦しくとも、新聞記事を札束と引きかえることをしない」岩下英隆（昭和34年週刊読売・週刊文春の掲載記事より）

創刊数年後、父英和も家業に携わり、堅実に地域への情報提供に尽力してまいりました。昭和から平成へと時代は流れ、父は激務のためか他界してしまい、埼玉タイムスは残念ながら幕を閉じました。しかし、もっと地元の情報が必要だという地域の声にも背中を押され、平成16年10月より地元志木市で「ニュータイムス」を復活いたしました。郷土を愛する地域のメディアとして、今まさに“ジモアイ”を高めたいという志を胸に刻み、「ニュータイムス」を通じて地域情報を伝え、伝わるように努力しているところであります。

“ジモアイ”とは、地元を愛する心、活字を愛する心を創生するという弊社のキーワードです。今後とも、ジモアイ向上にむけチカラを注いで参りますので、地域メディア「ニュータイムス」にご支援ご協力を心よりよろしくお願い申し上げます。